「その人らしさ」を支える地域にするために
昨日は、加西市で行われた『男女共同参画フォーラムin加西』を見学してきました。
ジャーナリストの今井一さんがコーディネーターを務め、パネラーに、加西の市議会議員さんや市民グループの方々、公民館の館長さんなど5名の市民代表が参加しての意見交換フォーラムでした。
テーマは「男女ともに築こう家庭と地域」ということで、まだまだ根強い女性の社会進出に対する偏見や差別、社会的地位の低さなどの実態が話されました。
この手の討論会でありがちなのが、怪物のような女性が、「女らしさ」という言葉に異常に反応し、女性差別ばかりを感情的に非難するケースが多いのですが、今回は違いました。
パネラーからは、「男らしさ、女らしさ」は大切だという意見がだされました。
男女共同参画の中で求められるのは、「男らしさ、女らしさ」を大切にしながら「自分らしさ」「その人らしさ」が尊重される社会作りではないか。日本の社会は、女性だから「自分らしく」生きることが困難という状況が多いという意見がありました。
子育て、家事、さらに介護は「女」がやるのが当たり前。たとえ優秀で才能のある女性でも、家庭を支えるというハンディが、社会で「自分らしさ」を発揮する機会を奪う。
それが、今の日本の社会を元気にすることを妨げている要因ではないか。
「男らしさ・女らしさ」を議論するよりも、男でも女でも「自分らしさ・その人らしさ」が発揮できる世の中にしないといけない。そのためにも、男性も一緒に家庭を支えるという意識を持つこととともに、「その人らしさ」を支える制度を作っていくことも重要と話されました。
笑輪の目指す「その人らしさを支え、笑顔の輪を広げる地域ケア」も、それに通じるところが大きいと思いました。
要介護者の「その人らしさ」を支えるために、家族の「その人らしさ」も大切にしていかなければいけません。家族が「その人らしく」生きられずストレスを感じる環境で、お年寄りの「その人らしさ」を支える在宅ケアなどできないと思います。
みんなが「その人らしく」生きていけることが、笑顔の輪が広がる地域ケアになっていくのだと思います。
そして制度の問題。
「その人らしさ」は多種多様です。様々な生き方、考え方があります。制度・システムでそれを押しつぶすのではなく、多種多様な「その人らしさ」に柔軟に対応できる制度・システム、それと社会の受け皿が必要なのだと思います。
それらを作っているのが政治です。
昨日の兵庫県知事選挙の投票率は、36.02%。
でも、有権者の気持ちもわかります。地方選挙は、衆議院選挙の前哨戦としか扱われず、結局は政党の政権争い中心。政党の政策は、選挙に勝つための宣伝材料でしかなく。選挙に勝ったら「やれやれ、これでしばらくは安泰」と後は方針変換でやりたい放題。「政権さえとってしまえば、なんとでもなる!」そんな風にしか見えないのですが、それは僕が無知だからでしょうか・・・。
これだけ無党派の人が増えてきているのです。関心は、政党ではなく事柄なのではないでしょうか。
年金。環境。税金。福祉。平和憲法。脳死・・・。様々な事柄に対して、日本人は賢いから関心や意見は持っているはずです。でも、我々は人は選べても、1つ1つの事柄に対しては、外野から意見を言うことしかできないのです。ましてや選ばれた「人」=「事柄」の結果ではありません。しかも選ばれた「人」にこうもスキャンダルが多いと、モチベーション下がりますよね。
税金が高いけど、福祉が充実しているヨーロッパ。そこでは、市民の政治家に対する信頼も厚いようです。「税金をきちんと我々のために使ってくれる。安心して暮らしていける」。だから高い税金でも納得できようです。
日本ではありえない。
政治家を信頼しているヨーロッパには、さらに大事な事柄は自分たちで決めるという制度も整っているのです。それが「国民投票」「住民投票」。
昨日のフォーラムでコーディネーターを務めたジャーナリストの今井一さんは、1980年代からヨーロッパで「国民投票」「住民投票」の現場を取材されてこられました。
そこで今井さんは、あまりにも議会と民意がかけはなれている日本の政治にこそ「国民投票」「住民投票」が必要と考え、早くから活動を行ってこられました。
今井さんは、大阪シナリオ学校の講師もされていたことから、僕は、随分と昔から公私ともにお世話になってます。
96年。世の中でも全くといっていいほど「国民投票」というものが認識されていなかった頃。今井さんは、『国民投票・住民投票を実現する会』を発足しました。政治のことなど何が何やらさっぱりわからない当時26歳の僕にも「会員番号6番」が与えられ、活動のお手伝いをすることになりました。
当時は本当に国民投票・住民投票など世の中には浸透しておらず、大きな会館でシンポジウムを開催しても集まる客は30名程度、そんな感じでした。
あれから13年。その間に、各地でたくさんの住民投票が実施されました。
「原発」「基地」「ダム」「産廃」「合併」などの事柄についての是非が市民に問われました。そこでも今井さんは、よりよい住民投票が実行されるようにと現場に入り込み市民と共に活動されてきました。
僕も今井さんに、徳島、沖縄、米原、神戸、三重など住民投票の現場に連れて行ってもらいました。
そこで感じたのは、自分たちに事柄の是非を決める権利が生じると、市民はきちんとその事柄を勉強し議論しよく考えて投票するということ。間違いなく「人」を選ぶ選挙よりも重い意味を持つ投票になるということです。
そして投票後の責任感が違う。
自分たちの町をよりよくするための動きに発展していくのです。
また、その動きが国や自治体を動かすこともあるのです。
今井さんは、06~07年。国会の「憲法調査特別委員会」に参考人として呼ばれ、5回にわたりよりよい国民投票を実施するための制度作りのために意見を述べられました。
(国民投票・住民投票の動きなどは『国民投票/住民投票情報室』ホームページ参照 http://www.ref-info.net/)
さて、今、介護福祉の世界はとても厳しい状況にあります。
これも政治がすごく大きく関わっているのです。
近年、国民投票・住民投票を活かして、政党の意見だけで物事を決めるのではなく、民意を反映させていく政治を考える政治家も増えてきました。そういったことも、「人」を選ぶ選挙の際の参考にしてもいいのではないかと思います。
投票率36.02%の兵庫県知事選挙の日。
男女が共に「その人らしさ」を支える地域・社会について、市民の方が話し合ったフォーラムを見学させてもらって、「その人らしさ」を支える地域を作っていくのは、自分達次第であると思いました。
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